あれ?
なんかヤバイ気配。
よくよく考えたら…
「ここでスタンバイして下さい」と言われた場所は、
舞台袖のかなり奥の奥。
もう「どうぞ~!」ってジェイクさん言っちゃってるし
ここから歩いたらステージから見える所までこのペースで
歩いたら絶対ヤバイよな。
「どうぞ~!」から僕が見えるまで
な~んか変な間が出来るんじゃないかい?こりゃ?
はい、頂きました、
案の定、ヘンな間。
皆さん、スイマセン。あれでも見えるギリギリまで小走りしました。
そして、いよいよ、念願のステージへ!!
ウクレレ始めて13年。ここまで長かった~。
ジェイクさんに僕から握手。ジェイクさんから僕にハグ。
お互い、グーをぶつけ合う。
「So,ボンボさんは、In the熊本、ウクレレの先生。
今夜、学生さん(生徒さん)もいっぱい来ていますねえ。
Please say some message to your students」
…
と言われても…
ジェイクさん、ジェイクさん!マイクこっちに向けてくれないと
とりあえず口をパクパクしてたらやっとジェイクさんが
気がついてくれ、マイクを向けられ、一言。
「生徒さ~ん、手を挙げてみてくださ~い。」
なんじゃそりゃ。
<<注>>松田優作風に発声して下さい。
チーン。はいインタビュー終了。
「さっきのサウンドチェック、スゴーイ楽しかった!
ウクレレセッション、スゴーイ温かい気持ちになった。」
この「温かい」はたぶん、僕がLow-Gだからかな。
MIDORIは僕の中で新緑が勢いよく太陽に向かって伸びるイメージ。
だから直前の曲は「TAIYO」なのかなと勝手にセットリストを
見た時に思った。
ジェイクさんの高音がその伸び盛る茎と葉なら、
僕は低音でそれをしっかり支える大地と根を表現しようと
敢えてLow-Gをチョイスしてみた。
「今日はホント嬉しい。
それでは、MIDORI、宜しくお願いします」
小さく深呼吸して、会場を見渡すと、
最前列ほぼ右から左、生徒さん。その後ろも生徒さん、
生徒さん、生徒さん、生徒さんだらけ。
緊張150%だけど、この時は既に心地よい緊張に変わっていた。
ジェイクさんのカウント。
リハ一回目は声。二回目はミュートストラム。
絶対本番違うんだろうなと思ってたら、案の定、
3拍目までは声とミュートストラムの合わせ技、そして
4拍目はナント!!ザぼんちのおさむちゃんが
頭を叩いた時に舌で出す「タン!」って音。
直前に吹き出しそうになるのを必死にこらえるのが精一杯。
そして、2分40秒の夢の共演がいよいよスタートした。
お互い目配せしながら音で会話をする。
音楽家だけに許された心地いいひと時。
会場から大きな大きな、それはそれは大きな手拍子。
(皆さん、本当にありがとうございます)
とにかくミスタッチより構成が飛ばないように練習した
甲斐あって、大きなミスも無く(言い換えれば小さなミスは
数知れず)進んでいく。
ブリッジに差し掛かる。二人の掛け合いの場所。
「ボンボさ~~~ん!!」ジェイクさんが叫ぶ。
「なんだ~い、ジェイクぅ」。音で答えた(つもり)。
これは深夜にやってるアメリカのテレビ通販風に発声してね。
ジェイクさんの澄み切った高音。
ウクレレとは思えないほどサスティーンの利いた音。
ダダリオの弦が振動し、神の指先から音楽が湯水の如く溢れる。
その湯水に包まれるように僕の音に命が吹き込まれていき、
その二つは空中で一つに融合されていく。
(なんか官能小説みたくなってきたからこの辺で)
そして、エンディング。
決まった
リハの時、ちょっと息が合わず僕が0.1秒くらい遅れたので
ヨカッタ。
「ボンボサ~ン!!スゴ~イ!!カンペーキー!!」
あざす、あざす、あざ~す
社交辞令でもお世辞でも嬉しい!!!
鳴り止まない拍手。感動。感動。感動。
お決まりのハイタッチ。
っと思いきや、ジェイクさん、グー同士のタイプご希望だったらしく、
僕はパー、ジェイクさんはグーで、な~んか
へ~ンなキャッチボールコントみたいになってしまった。
しかもスゴイ高い位置で。
ま、いっか。無事終わってヨカッタ。
控え室に戻り、ウクレレを置き、あとは客席から残りの
コンサートを鑑賞。
(僕が客席に戻るまでの間、「ヨロシクオネガイシマボンボ」って
ジェイクさんが言ったという多数の情報あり。
超ウレシイ!!!)
僕は一列目だったので、その後何度もジェイクさんと目が合い、
何度も笑顔を交わせた。
ハイナホー前に、再度MCで僕を紹介してくれたので
立ち上がり180度振り返って大きく手を振る。
そしてライブ終了。
沢山の人から声をかけてもらう。知らない人からも。
本当、皆さんありがとう、僕のライブじゃないのに
なぜだか一気にマイミクが増えたし(爆)
音響オペレーターさんにお礼を言いに行く。
「こんなにいい音でプレイしたの、生まれて初めてです!
スゴイ!!サイコー!!ありがとうございました!!」
音響さん、東京から来られた方なのに、すっごくシャイで
照れながら「どもっ」いい人なんだろうなあ…。
そして、楽屋に戻ると・・・・
ぎょえ~!!!
もう、このくだりも最後なのでお許しあれ。
お決まりの、
つづく。(次回最終回。こうなったら一冊の本にまとめようかな)